マイホームを買うと、聞いたことのない税金の名前が次々に出てくる。不動産取得税、登録免許税、印紙税、固定資産税、都市計画税——名前が似ていて、どれがいつ来るのか分からなくなる。でも、切り口をひとつ決めれば一気に整理できる。「買うときに1回だけ」なのか「持っている間ずっと毎年」なのか、これだけだ。

税金は「取得のとき」と「保有している間」に分かれる

不動産にかかる税金は、大きく2つのグループに分かれる。

取得のとき(1回だけ):不動産取得税、登録免許税、印紙税、消費税 保有している間(毎年):固定資産税、都市計画税

そしてもうひとつ、どこの役所が取るのかが試験でよく問われる。国が取るのか、都道府県が取るのか、市町村が取るのか。ここが混ざりやすいので、意識して覚えたい。

買うとき①:不動産取得税は「都道府県」

不動産取得税は、土地や建物を取得したときに一度だけかかる都道府県税だ。毎年来る固定資産税とは別物である。

課税標準は固定資産税評価額。税率は本則**4%**だが、住宅と土地については特例で3%に軽減されている。さらに、一定の要件を満たす新築住宅では課税標準から1,200万円を控除できる特例もある。

そして最重要なのが取得原因による違い。売買・贈与・新築・交換で取得した場合は課税されるが、相続による取得は非課税だ。「贈与は課税、相続は非課税」——ここは毎年のように狙われる。

買うとき②:登録免許税は「国」

登録免許税は、不動産の登記をするときにかかる国税だ。不動産取得税が都道府県税なのに対して、こちらは国税。ここが対比で問われる。

登記の種類本則税率軽減後
所有権保存登記(新築)0.4%0.15%(住宅用家屋)
所有権移転登記(売買・建物)2%0.3%(住宅用家屋)
所有権移転登記(売買・土地)2%1.5%
抵当権設定登記債権金額の0.4%0.1%(住宅用家屋)
所有権移転登記(相続)0.4%

不動産取得税では非課税だった相続も、登録免許税は課税される(0.4%)。ここもひっかけどころだ。

なお軽減税率はいずれも期限つきの特例で、土地の売買による移転登記の1.5%は2029年3月末まで、住宅用家屋の軽減(0.15%・0.3%・0.1%)は2027年3月末までとされている(いずれも延長を繰り返してきた措置)。試験では期限そのものより、本則と軽減後の税率の対比が問われる。

このほか、売買契約書などの文書には印紙税(国税)がかかり、事業者から購入する場合の建物の売買代金には消費税がかかる(売主が個人の中古住宅などは対象外)。ただし土地の譲渡は消費税が非課税。土地は消費されるものではない、という考え方による。

持っている間①:固定資産税は「市町村」

固定資産税は、毎年1月1日現在の土地・家屋・償却資産の所有者に課税される市町村税(東京23区は都税)だ。標準税率は1.4%。「標準」税率なので、市町村が条例で違う税率を定めることもできる。

納税義務者が1月1日の所有者だという点は覚えておきたい。年の途中で売っても、その年の納税義務者は1月1日時点の所有者のままだ。実務では売主と買主が日割りで精算するのが普通だが、それはあくまで当事者間の話であって、税法上の義務者は変わらない。

軽減も手厚い。住宅用地の特例では、200㎡以下の部分は課税標準が6分の1、200㎡を超える部分は3分の1になる。さらに一定の新築住宅は、税額が一定期間2分の1に軽減される(一般の住宅は3年間、3階建て以上の中高層耐火建築物は5年間)。ゼロになるわけではない点に注意したい。

持っている間②:都市計画税は「市街化区域だけ」

都市計画税は、道路や公園といった都市計画事業の費用にあてるための市町村税。固定資産税と一緒に納付書が届くので混同しやすいが、別の税金だ。

固定資産税と違うのは2点。第一に、課税されるのは原則として市街化区域内の土地・家屋に限られること。第二に、税率が0.3%を超えられない制限税率であること(固定資産税の1.4%は上限のない「標準税率」)。1月1日の所有者に課税される点は固定資産税と同じだ。

住宅用地の特例もあるが、割合が違う。都市計画税では200㎡以下の部分が3分の1、超える部分が3分の2。固定資産税の6分の1・3分の1と数字がずれているので、セットで覚えたい。

1.4%は標準税率、0.3%は制限税率。標準税率は「目安なので上下できる」、制限税率は「これを超えてはいけない上限」。言葉の違いにも意味があると知っておくと、正誤問題で迷わない。

FP3級のひっかけは、ここだけ潰す

ありがちな思い込み正しくは
不動産取得税は毎年かかる❌ 取得時に1回だけ。毎年は固定資産税・都市計画税
不動産取得税は国税都道府県税。国税は登録免許税・印紙税
相続で取得しても不動産取得税がかかる相続は非課税(贈与は課税)
固定資産税は購入した人が日割りで納税義務を負う❌ 納税義務者は1月1日の所有者
固定資産税の標準税率は2%1.4%
都市計画税はどこでもかかる❌ 原則市街化区域内のみ・0.3%が上限

まとめ

覚え方は「買うとき1回:取得税(都道府県)+登録免許税(国)」「持っている間毎年:固定資産税+都市計画税(どちらも市町村・1月1日の所有者)」。この2行が骨格で、あとは税率と特例を肉付けするだけだ。名前の似た税金も、いつ・誰が・どこに払うかで並べ直せば、もう混ざらなくなる。