同じ3000万円を借りても、金利タイプと返し方をどう選ぶかだけで、総支払額が数百万円も変わってくる。これは脅しじゃなくて、ただの算数だ。本体の値段選びには何ヶ月も悩むのに、「どう借りてどう返すか」は不動産屋任せ…はもったいない。今日はローンの"組み方"だけに絞って、FP3級で問われる形のまま整理していくよ。

金利タイプはこの3種類から選ぶ

住宅ローンの金利は大きく3タイプある。まず変動金利型は、市場金利に連動して定期的に金利が見直されるタイプ。当初の金利がいちばん低いのが魅力だけど、将来金利が上がれば返済額も増える上昇リスクを自分で背負う。ただし急変を和らげる仕組みがあり、返済額を5年間は据え置く「5年ルール」と、見直しでも前回返済額の1.25倍までしか上げない「125%ルール」が代表だ(元利均等返済で採用されるのが一般的で、一部のネット銀行では採用しない)。次に全期間固定金利型は、借入から完済まで金利がずっと変わらず、返済額が最後まで一定。将来設計が立てやすく、代表格がフラット35。最後の固定金利期間選択型は、当初3年・5年・10年などを固定して、期間終了後に改めて変動か固定を選び直すハイブリッド型だ。

金利タイプ3種の金利イメージ

金利経過年 →全期間固定固定期間選択変動
当初は変動が最も低く、固定は完済まで一定。上がり方がタイプで違う

返し方は「元利均等」か「元金均等」

借り方を決めたら、次は返し方。選択肢は2つ。元利均等返済は、元金と利息を合わせた毎月の返済額がずっと一定になる方式。家計管理はラクだけど、返し始めのうちは返済額に占める利息の割合が大きく、元金がなかなか減らない。その分、総返済額は多めになる。いっぽう元金均等返済は、毎月返す元金の額が一定で、そこに残高に応じた利息を上乗せして払う。残高が最も多い当初の返済額が最大になるかわりに、返すほど利息が減って後半はラクになり、総返済額は少なめで済む。負担が読める元利均等を選ぶ人が多い。

元金利息元利均等毎月一定・総額は多め元金均等当初大・総額は少なめ
左は毎月の高さが一定、右は元金一定で毎月が下がっていく

繰上げ返済は「早いほど効く」

手元のまとまったお金で、元金の一部を予定より先に返すのが繰上げ返済。これにも2つの型がある。期間短縮型は、毎月の返済額はそのままに返済期間のほうを縮めるやり方。減らした元金にかかるはずの利息がまるごと消えるので、利息の軽減効果が大きいのが特徴だ。もう一方の返済額軽減型は、期間は変えずに毎月の返済額を下げる。当面の家計を軽くしたい人はこっち。共通の鉄則がひとつ、利息は「残高×期間」で決まるから、同じ額なら早い時期に繰上げるほど効果が大きい

通常返済(期間=長さ/毎月=太さ)① 期間短縮型(毎月はそのまま・期間を縮める)← 期間が縮む(利息が大きく減る)② 返済額軽減型(期間はそのまま・毎月を下げる)↓ 毎月の返済額が下がる
同じ額を繰上げても、期間を縮めるか毎月を軽くするかで効果が違う

借換えは「差」で損得を測る

今より低い金利のローンに乗り換えるのが借換え。得しやすいのは「金利差が大きい」「ローン残高が多い」「残りの返済期間が長い」の3条件がそろうほど。逆に言えば、返済がもう終わりかけなら乗り換えてもうまみは薄い。注意点は、借換えには保証料・登記費用・事務手数料などの諸費用がかかること。減る利息>かかる諸費用になって初めて得なので、必ず両方を計算して比べる。フラット35は住宅金融支援機構と民間金融機関の提携による長期固定で、こうした固定への借換え先にもなる。

FP3級の「引っかけ」注意報

試験はこの手のひっかけが大好き。逆に、覚えておけば得点源になる。

よくある誤り正しい理解
元利均等のほうが総返済額が少ない元金均等のほうが少ない
当初は元金部分の割合が大きい✕ 元利均等の当初は利息の割合が大きい
繰上げは返済額軽減型が利息軽減大期間短縮型のほうが利息軽減大
変動は当初金利が高い✕ 当初は低い(上昇リスクは自己負担)
繰上げは時期が遅くても効果は同じ早いほど効果が大きい

まとめ

整理するとこう。金利は、低さ重視なら変動/安心重視なら全期間固定/いいとこ取りに見えて選び直しが要る固定期間選択。返し方は、ラクさの元利均等/総額を抑える元金均等。繰上げは、利息を削るなら期間短縮型/毎月を軽くするなら返済額軽減型、どちらも早いが正義。この「3×2×2」を押さえれば、FP3級の設問もマイホームの現場も、もう迷わない。